いまではずいぶん数も減らしてしまったが、いくつかある寝台特急の中でも、大阪〜青森を結ぶ『日本海』が好きだ。
『北斗星』や『トワイライトエクスプレス』、『カシオペア』などの豪華寝台列車や、日本最長距離を走っていた『はやぶさ』などと比べると、『日本海』はものすごく地味な列車だった。
つい最近までA寝台もついておらず、オールB寝台で、列車としての魅力も乏しかった。
だが新幹線が競合していない区間でもあり、九州方面行きは空席が目立つ状態であるのに対して、『日本海』はいつもそこそこ利用があるらしい。
大阪から札幌に移り住むことになった高校卒業の春に、今は無き函館直通の『日本海』を利用した。駅のホームまで親や友人が巣立ちを見送りに来てくれた。
その昔、「集団就職」で期待と不安を胸に、若者が地方から夜行列車に揺られて都会へ出て来ることがあったらしいが、自分にとってこの『日本海』はとても思い入れの深い列車となった。
その後、帰省する時にもよく『日本海』を利用した。函館まで迎えにきてくれるので1回の乗り換えで済んで、自分としてはとても重宝していたのだが、確かに車内は青森まではいつもガラガラだった。
一度、途中の秋田から向かいの寝台にほろ酔い気味のおじさんが乗って来た。つまみのピーナッツを分けてくれて秋田弁で何か話しかけて来るのだがさっぱり理解できず(^^;)、適当に相づちを打っていた(笑)。
今でこそ2人掛けのシートが進行方向に並ぶ新しい車両が多くなったが、昔の旅は対面する4人掛けのボックスシートが多かった。
どちらからともなく話しかけたり、食べ物をあげたりもらったりすることも多かった。
旧型客車時代の福知山線では、詩を書くことが趣味だという年配の女性が、自慢の詩をしたためたノートを見せてくれたりもした。鉄道少年としては詩よりも景色を見たかったりもしたが(笑)
他にも友人と山陰方面の夜行に乗った時、たまたま理科の「オームの法則(電流、抵抗、電圧に関する法則)」の話をしていたら電気関係の仕事をしているおじさんが乱入して来て、いろいろ教えてくれたりもした(笑)
最近は旅をしていて誰かに話しかけられることも少なくなった。逆に自分から話かけるのも「迷惑なんじゃないか?」「あやしい人と思われるんじゃないか?」とためらって、誰ともひとことも会話をしないことも多くなった。
画像は工事前の大阪駅旧10番線の日本海3号。
手前の旧11番線ホーム共々、この場所は今は解体されて、工事中の新駅ビルの用地になっている。

